Sunday 23 June 2019

6 Athletic festival in autumn

一年の秋、初めての体育祭が近づいてきた。一学年8クラスが縦割りに四つに分けられて、それぞれが赤、黄、緑、青のチームとなる。チームの応援歌が毎年新しく作られ、それを屋上で練習する。遠く奥宅間の山々が見える。その下を悠々と宅間川が流れる。すばらしいロケーションだ。田所などのF組はA組とコンビになった。村木もその中にいた。体育祭のメインは、巨大な張りぼての立体の壁面だった。材木で芯を作り、その上に新聞紙を何枚も張って、立体的な壁面を作り、最後に色を塗って出来上がる。普段は下において部分ごとに作業をしているが、それらを組み立て立ち上げるとすばらしい立体の壁面ができる。これが赤、黄、緑、青の4色のチームカラーを彩りながら校庭の4隅に取り付けられる。その前で応援合戦が行われる。
壁面作りは、早くも夏の前からとりかかる。最初は何をしているのかまったくわからないが、それでも次第に力がはいってくる。田所も金井もよくわからないまま、指定されたところに何回も新聞紙を貼り付けていった。
こうして壁面が完成し、体育祭が行われ、4チームが争い、いずれかが優勝する。しかしそれはあまり重要ではない。その後の後夜祭をみながたのしみにしている。半年近くかけて作った壁面が取り外され、校庭のまんなかに作られたファイアストームで燃やされる。そして定番の歌「劫火静かに」がみなで歌われる。
中心のファイアストームに火がつけられ、火の粉が高く夜空に上がる。4チームはそれぞれの場所から入場する。男女別に列が作られ入場する。
列を作っていたら、田所と村木が一緒の組になった。まったく偶然だった。村木はなにも言わないので、田所もだまっていた。入場がはじまって田所は村木の手を取った。秋の冷気で村木の手はひんやりしていた。また出会ったと、田所は思った。劫火が大きく燃え上がり、その上に秋の夜空がひろがっていた。
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